人と動物とが共存する社会を目指して
近年、ペット・ブームなどを背景として、観光地等においてペットとの同伴宿泊旅行の需要が増大しています。また、首都圏における新規分譲マンションの約9割がペットと一緒に暮らせるものになったり、都市公園においても相次いで公設ドッグランの整備が進められているなど、「適正飼養の普及」については、ソフト面を重視した従前までの動きとは異なり、ハード面からも人と動物とが共存できる社会基盤施設の整備が推進され始めています。
このような状況を踏まえて、本協会では、東洋大学国際観光学科や各種観光関係団体などと協働して、ペット・ツーリズムの適切な推進及びペット・ツーリズムにおける適正飼養の確保を図るための諸事業を実施しています。
具体的には、ホテルや観光地などにおいてもペットの適正飼養の普及啓発の推進を担うことができる人材の育成を図るために、東洋大学国際観光学科において我が国初の大学の授業である「ペット・ツーリズム論」を寄附講座として開設しています。また、産官学民の連携・協力を図りながら、ペット・ツーリズムに関する知識の普及啓発及び調査研究に関する助言または支援を行い、もって観光の振興、ペット・ツーリズム産業の健全な発展、ペット・ツーリズム利用者の利便性の向上及び適正飼養の普及に資するために設立された「全国ペット・ツーリズム連絡協議会」に参加しているところです。
本協会の目的である適正飼養等の普及啓発は、時代の要請や飼い主の意識・行動の変化を踏まえながら、新たな視点や方法で展開をしていく必要があります。ペット・ツーリズムにより非日常の外出をすることは、しつけの重要性やペットと飼い主の社会化の必要性を確認する有効な機会となり、それが飼い主の適正飼養に向けての意識改革にもつながるはずです。また、災害時の同行避難を円滑に行うことにもつながっていくことを期待できるものです。
東洋大学におけるペット・ツーリズム論の講義の様子
平成25年7月
ペット・ツーリズム連絡協議会設立記念シンポジウム