東日本大震災における支援
緊急災害時動物救援本部の構成団体としての活動
平成23年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生した直後から、本協会は緊急災害時動物救援本部(旧どうぶつ救援本部)の構成団体として、岩手県・宮城県・福島県をはじめとする現地動物救護本部(現地の行政および地方獣医師会などで構成)を支援する準備を開始しました。これまでの災害では、現地動物救護本部が活動を開始するまでの間に義援金を集めたり、ボランティアを短期間現地に派遣したりすることなどから始まり、現地動物救護本部の活動開始から収束するまでの間の後方支援を行ってきました。しかし、東日本大震災は被害が甚大かつ広域であるため、旧どうぶつ救援本部は後方支援にとどまらない活動を行ってきました。
旧どうぶつ救援本部の4つの構成団体(公益社団法人日本獣医師会、公益財団法人日本動物愛護協会、公益社団法人日本動物福祉協会、本協会)は役割分担をしてさまざまな活動を展開してきました。本協会の役割としては支所協力会員の協力を得ながら、東京都内に設置した支援物資集荷所での作業、千葉県市川市に設けられた避難所のペット飼育テント内の管理、全国各地に避難した飼い主とそのペットへの支援等を行いました。その他の活動としては、旧どうぶつ救援本部のホームページの開設および運営(平成23年6月まで)、ボランティアの募集、被災犬猫の新しい飼い主の募集および選定、福島県内の警戒区域(当時)への住民の一時帰宅に伴う飼い主支援(環境省と福島県に協力し、東京電力福島第一原発から20~30kmの地点にある中継基地で行うペット保護受付業務)等があります。
平成24年7月には、今後の動物救護のあり方の検討に資するために、東日本大震災における旧どうぶつ救援本部の業務遂行等を専門家が評価を行うための緊急災害時動物救援本部救援本部評価委員会が設置されました。そして委員会がまとめた中間報告書の提言を受けて平成26年6月25日に一般財団法人緊急災害時動物救援本部(現:一般財団法人ペット災害対策推進協会、以下ペット災対協)が発足し、事業の強化・拡充を図っていくこととなりました。それに伴い本協会は旧どうぶつ救援本部の構成団体としての活動を終えましたが、これまでの経験を生かし、ペット災対協へ協力する形で被災ペットの支援活動を行っています。
東日本大震災東京都動物救援本部の構成団体としての活動
東日本大震災の活動では、旧どうぶつ救援本部の構成団体としての活動の他に、現地動物救護本部の1つである東日本大震災東京都動物救援本部の構成団体としての活動があります。 東北から東京に避難されている飼い主とそのペットを支援するために、東京都が都動物愛護相談センター多摩支所に隣接する土地に被災犬猫用の保護施設を設置し、東日本大震災東京都動物救援本部(構成団体:社団法人東京都家庭動物愛護協会※、公益社団法人東京都獣医師会、公益財団法人日本動物愛護協会、公益社団法人日本動物福祉協会、本協会)がこの施設の運営を平成23年10月11日から約1年間行いました。
この施設ではスタッフやボランティアとして、多くの本協会支所協力会員が携わりました。東京へ避難された方が飼われている犬猫の一時預かりや所有放棄された犬猫の譲渡以外に、福島県動物救護本部への支援として、同救護本部が保護収容していた犬を引き取り、譲渡を行いました。
※現在の名称は一般社団法人家庭動物愛護協会