ひとと動物の防災を考えよう 公益社団法人日本愛玩動物協会リーフレットより 防災チェックシート |
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どんなに備えていたとしても、大規模な災害が起こってしまったら、被害を完全に防ぐことはできません。けれど「こころの準備」と「ものの準備」を整えておけば、被害を軽減し、すみやかに避難することが出来ます。 | |
ひとと動物が安全に避難するために、どんな準備をすれば良いのか? 防災のポイント12項目を参考に家族みんなで考えてみましょう。 |
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飼い主であるあなたが無事でいること。 それが動物たちにとって何より大事なのです |
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1.ひとの防災を考える 災害に備え、人が安心して暮らせる準備をしておくことが、一緒に住んでいる動物の安全にもつながります。たとえば地震に備えるのなら住まいの耐震強度を確認する、家具を固定する、生存空間(※)を確保することなどが大切です。 (※)生存空間の確保 建物や家具が倒れたときに、ひとと動物が生き残れるような隙間ができるよう、あらかじめ丈夫な家具を配置して固定し、動物の寝場所やくつろげるスペースをつくること。 |
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2.我が家の問題点を考える 問題点を知っておくことで、対策を検討できます。 まずは問題点をリストアップしてみましょう。 ・ひとの問題 1、家族に介護が必要なお年寄りや病人がいる 2、こどもだけで留守番をしている時間がある 3、構想マンションに住んでいる など ・動物の問題 1、たくさん動物を飼っている 2、猫を外で飼っている 3、水槽やケージなど特殊な環境で飼育する動物を飼っている(魚、爬虫類、鳥、ハムスターなどの小動物) 4、病気を治療している動物や、年老いて介護が必要な動物を飼っている 5、動物だけで留守番をしている時間がある など |
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3.問題の対策を考える 災害が起こった時にどう行動するか、何を準備しておけばいいのか、問題点への対策を家族全員で話し合っておきましょう。 例 1、家族の集合(避難)場所を決める 2、連絡方法を決める (県外の親せき、知人、災害伝言サービスなど) 3、何をどれだけ、どこに備蓄するかを決める 4、こどもだけ、動物だけで留守番をしているときに、声を掛け合ったり様子を見てもらったりできるよう、普段からご近所の人たちとのコミュニケーションをとる |
4.備品を用意する 災害の規模と状況によっては、せっかく備えた備蓄品が持ち出せないこともあります 備蓄品は優先順位によって分けましょう 優先順位1 「薬」や「療法食」 優先順位2 「食糧と水」 優先順位3 「動物の飼育手帳」 優先順位4 その他の飼育用品 それがないと動物の命や健康に関わるものは、ひと用の持ち出し品と一緒にしたり、その他のものは品質管理に注意して、後から取り出せる場所に保管しましょう また、集合住宅なら1階に共同の保管場所を用意するのもよいでしょう |
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5.健康を管理する 災害時の避難生活から、仮設住宅の生活まで、慣れない環境での生活で体調を崩すことがあるのは、ひとも動物も同じです。 常日頃から健康状態に注意し、予防接種やノミ・ダニ・フィラリアなど寄生虫の駆除を行うなど、きちんと健康管理をしましょう。 |
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6.居場所の点検をする 動物の居場所が安全かどうか、点検しましょう ・屋外飼育の場合 (地震に対して)ブロック塀のそばや、ガラス窓の下など、建物が倒壊した際に、動物が被害を受けない場所ですか? (水害が多い地域)増水しても溺れない対策がとってありますか? ・屋内飼いの場合 地震に対しては家具などの固定は必須です 特に小型の動物は、倒れてきた家具による怪我や圧死が報告されています ガラスケースなどで飼育している動物の場合、ケースが落ちたり、ガラスが壊れたりしないようにケースを固定し、ガラス飛散防止フイルムを貼るなどの対策をとりましょう |
7.普段からマナーを守る 地域に受け入れてもらえるよう、普段から飼い主としての責任を意識し、マナーを守って飼いましょう 日ごろから、糞尿や抜け毛の始末をしたり、鳴き声やにおいなどで近所に迷惑をかけないように気をつけましょう 特に犬の場合は、しつけや社会化をきちんと行い、友好的な犬に育てて、飼い主が周りに充分な配慮をすれば、避難場所でも受け入れてもらいやすくなります。 |
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8.助け合える仲間を作る 動物の飼い主同士のネットワークを作っておきましょう 犬の場合だったらお散歩仲間、同種の動物なら愛好会など、いざという時に協力し合い、場合によっては一時的に動物を預かってもらえる仲間を見つけておくことも必要です また、あらかじめ地域の行政担当窓口に、避難場所や動物の同行について、動物と飼い主への支援の内容などを問い合わせ、仲間で話し合って おきましょう |
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9.避難訓練をする まずは、ひとと動物が実際にどう避難するのか、家族単位で避難訓練を行うことが大切です また、行政が行う避難訓練には積極的に参加しましょう。地元行政の防災課や獣医師会、町内会、消防署などに協力を依頼し、動物同伴避難訓練を行うのも良いでしょう。 動物可の集合住宅の場合は、エレベーターが使えなくなり、階段に大勢のひとと動物が同時に殺到することが考えられます あらかじめ、ひとと動物の住民台帳を作成し、飼い主の会や管理組合などで避難訓練を行うと良いでしょう |
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10。個体識別をしておく 動物が迷子になったとき、どこかで保護されても、すぐに飼い主に連絡ができるよう、名札やマイクロチップなどを動物につけておきましょう 犬の場合は必ず畜犬登録を行っておきましょう |
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11.災害がおこったら 一番大切なことは、飼い主が無事であることです 地震の場合は、揺れを感じたら脱出経路を確保するためにドアを開け、机の下に身を隠し、調理などで火を使っている場合には火を消します 自宅から避難する際には、消火の確認と「通電火災(※)」を防ぐため、ブレーカーを落とすことを忘れずに。 その他の災害も、早めにおちついて避難や対策を行うことが大切です ※通電火災 地震による停電や転倒で機能が停止した電化製品が、ライフラインの復旧による通電で起動し、火災の原因となること |
12.避難所での注意点 動物を同行して避難することと、避難所で同居できることは異なります 避難所には動物が苦手なひと、好きだけれどもアレルギーなどで一緒にいられないひとなど、様々なひとが集まります また、水が止まり、空調設備が止まった避難所では、環境が悪化し、劣悪な衛生状態になります そこに動物を入室させることよりも、動物を飼っているひとと飼っていないひととで住み分けを行ったり、動物の飼育スペースを確保したりといった工夫を、飼い主同士が協力して行いましょう 避難所では、鳴き声や抜け毛、臭いなど、普段以上に周りに配慮することも大切です |